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思うこと 面白かった本

もう2月!

 皆様、いかがお過ごしでしょうか?
緊急事態宣言、無視するわけにもいきませんし、しゃくし定規に守れるわけもなく…。
大変困難な状況です。
このような中で働いていらっしゃるエッセンシャルワーカーの方々へは、
本当に感謝しかありません。
いつも、ありがとうございます。
そして一日も早く、新型コロナが収束することを願っています。
差別や偏見が、今まで以上に深刻です。
隠れていたものがあぶりだされてきたようです。
私の知恵と決断を問われている、と思っています。
労わりあい、支えあい、けれども依存しない、自立した生き方を模索しています。


タイトル:「謎物語 あるいは物語の謎」 著者:北村薫
株式会社東京創元社 2019年11月 ISBN:9784488413088

 今回は本格ミステリーとは何か、ということを題材に書かれたエッセイです。
この方も、言わずと知れたミステリーマニア。かなりの読書家。
いやはや、こんなに読めるものなんですね。いくら好き、と言っても。
推理作家にまでなってしまうのだから、そりゃそうですね。
作品の肝であるトリックがすでに作品になっているか、
調べておかなくてはならないでしょうし、同じような方向性の物語もまずい。
けれどもトリックだけ見れば、密室だとか、アリバイだとか、似たものはたくさんあります。
それを違和感なく、というか必然の手段だと読者に納得させる手腕こそが作家の力量でしょうか。
あっ!なるほどそうだったのか!、と膝を打つような作品を期待して読んでいます。読者は。
それこそが推理小説の醍醐味ですから。
あなたは、どのような作家がお好みでしょうか?
なぜか、推理小説は夜に読みたい。
いかがですか?
面白そうな本を探して、明日の夜にでも読書に没頭するというのは。
寝不足になる?そうですね。週末がおススメです。

 

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思うこと 面白かった本

ホントに雪、降るのでしょうか?

 だいぶ冷え込んできましたが、このところ天気予報は当たらないことが多いので半信半疑です。
でも空模様は雨が雪に変わってもおかしくないほど、暗い色合いです。
雪が嬉しかったのは、小学生くらいまで。その後は、滑るし、凍るといつまでも残るし、降った翌日から薄汚れるし、電車は遅れるし。あまり良い印象はありません。
でも、夜のうちに降り積もった雪を見る朝に、見慣れた風景が一変して美しく見えるその瞬間のみ、感動的です。
暖かくして過ごしましょう。

タイトル:人生おたすけ処方本 副作用あります!?
著者:三宅 香帆 株式会社幻冬舎
2019年9月 ISBN:9784344035119

 タイトル通り、気分が落ち込んだ時、生活にくたびれたとき、人間関係に苦しいとき、など
その時の状況にピッタリの本を紹介しています。かなり独断と偏見で選ばれていますが。
おそらく著者は、かなりの読書マニアです。古典から現代の作家まで幅広く紹介されています。
また、作家や作品の書かれた時代背景まで書かれており、書評やエッセイという面もありながら、文学についても考えさせられる感じがあります。
お勧めされても、ピンとこない!ということもありますが、選書のセンスは悪くないと思いましたし本が好き、読書は人生に欠かせないと思う人がいる、と幸せを感じました。
巣ごもりの今日この頃、お勧めされてみるのも悪くない、と思います。

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面白かった本

暑いデスねえ…。

 梅雨明けから、突然夏本番で身体が付いていかない感じあります。
夏、というのは湿度が高いせいか、空気が濃密に感じられます。
その分、やっぱり暑さを感じやすいのかもしれません。
最近は「暑さ」も危険になりました。
暑いけれども、読書です。

読書といえば、夏休みの読書感想文の宿題を思い出します。
今でも、すぐ読めるほど短くて感想を書きやすい本を紹介してほしい、という声をよく耳にします。私もそのような人でした。
そこである時、カフカの「変身」を選んだのでしたが、これが難しかった。
何しろ、話が奇想天外。「ある朝、私は虫になっていた」という感じだったと思います。
どんな感想を書けばよいのか?
正直にありえなーい、と言ってしまいたいけれど、そんな感想を書く勇気を持てませんでした。
もっと真面目な、それらしい感想を書かなければいけない、という気がして。
今は、好き勝手な感想を言えるようになって、本当に解放された気分です。
感想文というのは、強制されて書くのはつまらないですね。
文章を読む力、書く力はつくのかもしれませんが、苦手な人は「本」の魅力に気が付かずに
嫌になってしまうのではないでしょうか。


光が降り注ぐ林

タイトル:「弥勒の月」 あさの あつこ著
2019年1月 光文社 ISBN:9784334744564

久しぶりに時代小説を読みました。この作者は「バッテリー」という作品で知りました。
そのため中高生向きの作家だと思っていました。
作家というものは、どんな題材でも書ける力があるんですね。
プロなんだから、といえばそうなんですが。
それほどこの「弥勒の月」は完成度が高い作品だと思います。謎解きの面白さ、人間描写のすばらしさ、物語がすんなり運ばれていく、構成のすばらしさ。
物語の途中で、時系列を変えることによって、場面転換をして話や人物の背景を説明する、うまい方法だと思うのですが、時によると本筋との関係がわかりにくくなる、というリスクもあると思うのです。けれども、このリスクも上手にクリアして、違和感なく読み通せます。また、エンターテインメントでありながら、人間心理の奥深さも描かれていて、読みごたえも十分です。