様々な問題がありながら開催されたオリンピックですが、もうお終いです。
開催地であることが、どれほど有利なことか、特に今回のような新型ウイルスにより規制の厳しい時には
実感させられます。
とはいえ、どの国の選手もこの大会に向けて鍛錬し夢の舞台に上り、その成果を問うたのです。
そのすばらしい姿は、どんな状況であっても称賛されるべきことでしょう。
一方で、この大会のために建設された多くの施設が、競技中であっても人気がなく閑散とした雰囲気で、すでに遺産となっているかのようです。
オリンピックの精神はそのままに、もっとシンプルに巨額の資金を必要としない大会の在り方を真剣に考えたいものです。
タイトル:POOL 世界のプールを巡る旅 著者:クリストファー・ヒーンランド
翻訳:大間知 知子 株式会社 青幻舎 2021年6月 ISBN:9784861528125
オリンピック競技の中で競泳は、個人競技でタイムを競うシビアな競技の一つですが、映像的には涼し気に見えます。そんな不純な気持ちで、タイトルだけで選びました。
けれども、これは世界のプールでも建築が素晴らしいとか、立地がすごいとか、そうした驚きももちろんですが、欧米諸国の人々にとって、プールは特権階級の人々のものではなく、むしろだれでも安価に利用することができる公共施設であること。そしてまた、多くの国々で維持管理の問題や新たな施設の建設のために閉鎖されたり、無くなったりしていること。
けれども、ここ数年で地域の人々の協力によって忘れられていた施設をよみがえらせた例が多いこと。
近年は自然の力で(植物の力)でろ過し、安全安心なプールが目指されていること。
上記のような予想外の驚きがありました。
地域の重要なコミュニテイーとしての機能もあるということは、日本でいえば「銭湯」のような存在なのでしょうか。それにしても、海水が入り込むようなプールや、池のプールなど、行ってみたいプールがたくさんあります。そして断然プールは屋外にあるのが望ましい。正直、泳ぐのは得意ではないのですけれど。
プールを舞台とした小説などの著者にインタビューしたものも載っています。
みなさん、「泳ぐことは人生」とか「泳ぐことで心の平安を得られるし、これ以上の方法は見つからない」と異口同音に語っているのが印象的です。
そういえば、水の中でぷかぷかしているのは、気持ちよいです。
でも消毒液の匂い、どうにかならないでしょうか?
あれさえなければ、と思う方もたくさんいらっしゃるのでは。
この1冊が、あなたの人生のヒントになりますように。