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思うこと

新年度、始まりました。

例年ですと、4月1日の通勤電車はフレッシュマンとおぼしき社会人1年生が
満員電車にぎこちなく乗っている姿が初々しいと眺めています。
今年はこのような初々しい社会人が少ないように感じました。
感染者数が増加傾向にある中、年度末・年度初めという忙しい季節ゆえに、
テレワークでは済まない仕事が多くありました。
例年ほどではないにしても、通勤時の込み具合には緊張感があります。
暖かく気持ちよい季節となって、気分も開放的になりやすいので、意識してこまめな消毒を実践したいです。
外出を制限される、というのは行動の自由が奪われるということです。
自分の都合ですべてを決められるというのと、時間や場所、人数などに制限があるというのは
やはり大きな違いがあります。
自由というのは、本当に大事なことです。
自粛が緩和されると感染が広がり、外出や店舗の営業時間を短縮すると一時的に収まる傾向となり、
緩和と制限が繰り返されるたびに事態は悪化していく印象です。
今年こそは、少しでも自由な社会を期待していましたが、なかなか厳しい状況です。
こんなときこそ、身近な事柄に目を向けてこれからやりたいこと、自分の本当の気持ちを
確かめる時間にしたいと思います。

タイトル:「日本の伝統色を愉しむ」 監修:長澤葉子
2020年12月 株式会社飛鳥新社
ISBN:9784864107976

日本人の色彩感覚は本当に繊細です。そしてネーミングのセンスも抜群です。
布を染める技術は古くから、経験と外国からの伝来と様々な工夫から生まれた革新的な手工業でした。
微妙な色の違いを、名前で表現しています。
着物にもっと興味や知識があれば、さらに楽しめるだろうと思うと少し残念です。
けれども、この本は現在の生活や季節の行事と一緒に代表的な伝統色と由来を紹介しています。
どなたにも楽しんでいただける内容だと思います。
色から「いにしえ」に旅してみては、いかがでしょうか?

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思うこと 面白かった本

もうすぐお正月です。

 今年はコロナで開け、コロナで終わるという前代未聞の年となりました。見えない脅威にどう対処するのか、本当に手探りで今も苦しい状況です。けれども、個人的には自分の来し方行く末にじっくり目を向けることができ、転職という決断に至りました。そしてコロナから身を守るという観点から、テレワーク主体になったことは収穫でした。
さらにコロナの脅威のために外出の機会が大幅に減ったことで、高齢の父の体調がみるみるうちに悪くなり、家事のほとんどが出来なくなりました。そのためテレワークであることをフルに活かして、仕事の合間に家事をするという恩恵もありました。
社会の状況に合わせて働き方を変えることができて、本当に良かった。
でもこれからは、きっとこのようなことが当たり前になると思っています。
AIの進化により、今より多くの場面でAIの恩恵を受けて、働き方がより柔軟になり、多くの人が兼業するようになるように思います。AIによる情報のマッチングで、個人でも経営判断が容易になります。5Gにより通信速度が飛躍的に早くなり、自分に足りない知識をすぐに手に入れることができ、同じような課題を持つ人と連携することでチャンスが広がり、個人企業主が増えるとも思うのです。
そこで、今回は下記の本を読みました。

タイトル:「ルポ デジタルチャイナ体験記」 著者:西谷 格
PHP研究所 2020年3月 ISBN:9784569845821

 日本よりデジタル化が進んでいるといわれている中国の実状を、体験して書いたものです。
実際に試しているので、実状がよくわかりますし、何よりお面白いです。
いかにも中国らしいという実態が見えるし、商売熱心な中国ならではと感心することもあり、楽しく学べます。(?)
否応なしにやってくるデジタル社会が目に見える形になっている中国です。
興味のある方は、パラ見でも…。


来年こそは、コロナが収束し穏やかで平穏な日常が戻ることを願っています。
どうぞ、皆様良いお年を!


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思うこと 面白かった本

テレワークの日々

 このところテレワークが続いています。
黙々とPCに向かい、ほとんど会話のない毎日です。
まだ、仕事に慣れていないし、新しい部署のため、何をするのか模索中でもあり、
たまに集中してメールが来ますが、基本的にはやるべきこと、覚えなくてはならにことを
探している状態です。
暇といえば、本当に暇ですし、毎日の達成感もない。
他の部署の同僚と仕事がらみのおしゃべりが、唯一の息抜きです。
身体は楽ですが、もう少し仕事が固まってからテレワークが理想かな。
でも、それは贅沢な話かもしれません。
何しろ、状況の悪化が激しいので通勤のリスクを考えるとテレワーク中心なのは有難いです。

タイトル:「ゆがんだ正義感で他人を支配しようとする人」
著者:梅谷 薫 講談社 2016年3月
ISBN:9784062729338

 最近、非常に残忍な手口での殺人やその罪について良心の呵責を感じていないと思われる人が
とても多いように感じていました。
そこで、上記の本を読んでみたというわけです。
心理学的には、昔から研究はされてきていて、様々な実験も行われてきたことがわかります。
その結果、最近急に冷酷な人が増えたわけではなく、昔から存在していたし、問題視されてもいたこと、それに一定の割合で必ず存在し、傾向の度合いに強弱があり、皆が犯罪者であるわけではない。
むしろ成功者として幸せに暮らしている人もいる、という驚き。
もしかしたら、多くのサイコパスと呼ばれる人々は、今まで時代の闇や表面上の好景気などに隠れて見えにくかっただけなのかもしれません。
このところのコロナ禍で、多くの人が不安になり、またSNSの発達で匿名で情報発信ができる手段が一般化したことで、不満の解消や人を支配したり、困らせたりすることに快感を感じる人が
多くの普通の人々の注目を浴びるようになったのかもしれません。
この本では、様々な日常のシーンごとに実例をあげ、対策を述べていますが、とにかく自分を見失わないこと、問題のある人に関わらないこと、逃げることも選択肢にいれること、を上げています。
どうしても逃れられないときは、ひたすら我慢しかない、とも言っています。
逃れられないとは、家族や職場、ご近所ですが、これは本当に苦しい。
問題のある人が本当に欲しいのは、他人の人権や自由なのです、という一文がとても辛い。
その通りだけれども、それに気づくまで、なんでだろう、どうしてだろう、
と悩み苦しんだ自分がなんとも哀れで、悲しい。
考えてみれば、自分の周りにはいつも他人を不快にさせる行動をする人がいたことに気が付きました。
その時は、自分が何か至らなかったせいかな、落ち度があったのかな、
気分を害するようなことを言ったのかな、と自分を責めていました。
でもそれは、違っていたのだと思います。
ただ単に、人より優位な立場にいたい、あるいは妬みや嫉妬など、
こちらには無関係な事情から生じた行動や態度だったのです。
この先、コロナ禍がどのように収束していくか、わかりませんが
目に見えない危険がウイルスだけではなく、人の心の中にも潜んでいることを
十分に認識して自分を守ることを第一に考えていこうと思います。

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思うこと 面白かった本

愛情?

 このところ、11月とは思えないような暖かさ(えっ 暑い?)が続いています。
寒いのが苦手な私にとっては、大変喜ばしいことです。
とはいえ、もうすぐ冬が来るのですから、このような気温はそう長くは続かないでしょう。
冬には冬の楽しみ、喜びがあるのも、わかってはいるのですが。
例えば、鍋の美味しいこと。キリリとした空気に白い息を吐きながら歩く楽しさとか。
よく見てみれば、ほんの些細なことも気持ちをほぐしてくれるんだな、と最近よく感じるようになりました。
忙しさに紛れて、いつも心配事ばかりで頭がいっぱい、という状況は今もそう大きくは違わないのですが、テレワークになると本当に外に出る時間がなくなるので、意識的に朝15分程度散歩をすることにしたのです。
やってみるまでは、そんなに大した影響はないと思っていました。時間も短いので遠くまで行かれないし、ゆったり歩くので運動にもならないし。(たしかに運動にはなりません。これは明白。)
けれども、すこーし気持ちが緩むようなのです。近くの川辺を歩くだけですが、日によってシラサギがいたりして、毎日見える風景が違うのです。当たり前といえば、当たり前ですが。
でも、私はそんなことも忘れていたのです。余裕がないのですね。
これからは意識して、自分を労わることを優先したいと思っています。
皆さんも、どうかお試しください。ほんの小さなことでよいのです。
さて、今度はエッセイを読みました。

タイトル:「小さな幸せ46こ」 著者:よしもとばなな
中央公論新社 2018年6月 ISBN:9784122066069

このエッセイの中に、著者がたくさん動物を飼っていることを知りました。
幼いころから、さまざまな生き物に接してきたそうです。
当然、生き物との出会いも別れもたくさん経験されています。
そうした文章のなかに、犬や猫など家の中で一緒にいることが多い動物は
特にいつも飼い主を見ている、というのです。
だから、いなくなってしまうと空虚な気持ちとともに視線がないことに
胸を突かれる、見ることは彼らの愛情そのものと感じた、という趣旨でした。
愛情は、見ること。とても説得力があると思うのです。
関心があるから見る、気に掛けるから見る、見るからその人の心のあり様が少しわかる、
見ることで手を差し伸べることができる。
これからは、見ることを意識していきます。



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思うこと 面白かった本

「本」について

 この10月は散々なひと月でした。
実は転職をして心機一転頑張るぞ! と思っていたのに
1週間したら、細菌性腸炎に罹り熱がでてしまい、1週間寝込んでしまった。
けれども実は1週間も寝ていたのに、のどだけは治らず咳と声枯れがひどくて
出勤してもクタクタ…。
それに咳というのは、出始めるとしばらくで続けるし、コロナ禍の影響で
少しでも咳き込むというと、冷たい視線、そっと席を立つ隣の人、など
本当に辛いものでした。おまけに咳き込むと体力を消耗します。
なかなか改善せず、テレワークになったのを幸いに、昼休みを勝手に延長して
耳鼻科に行き、そこでの薬が効いてずいぶん楽になりました。
よほど、体力が落ちているのだなと実感しました。
疲れがたまっていることにも無自覚でしたが、本当は体は悲鳴をあげていたのかもしれません。
体力や体調を過信せず、これからは労わりながら生きていかなくては、と改めて思った次第です。
皆様も、ぜひご自身の体の声に真剣に向き合って欲しいと思います。


タイトル:言葉の贈り物
著者:若松 英輔  2016年11月
株式会社 亜紀書房 ISBN:9784750514901

この本はタイトル通り、言葉についての考察がメインに語られています。
そして「言葉」と深く関係する「本」にも触れていて、これにハッと驚かされました。
著者のお父さまはずっと「本」を収集するのが趣味で、
晩年目が悪くなっても購入するのをやめなかったそうです。
収集 というくらいですので、1冊や2冊ではなくひと月に数十万円…。
子どもたちで話し合ってやめさせようということで、著者がお父さまを説得したそうです。
けれども、やめなかった。
後年、その話をふと友人にしたら、「本」そのものの存在が大事だったのでは、と
言われたそうです。
「本」はその中身や装丁などに目が行きがちですが、
「本」そのものが語っていることもあるのでは、いうのです。
「本」のたたずまい、「本」の匂い、その存在感…。
なるほど!と思いました。これは電子書籍にはない魅力でしょう。
多くに人が関わって出来上がる「本」の醍醐味でしょうか。

「本」は読まねばならぬ、と思い込んでいましたので、目からうろこ、でした。