なんだか「緊急事態宣言」疲れを感じる今日このごろ。
オリンピック・パラリンピック開催に向けて会場付近の整備が進んでいます。世論は否定的な意見が多いように感じますが、政府をはじめIOCなどは、なぜかやる気満々。
新たな感染のリスクは、どこかに追いやられているようです。
お祭り的なイベントが制限されている中、とても楽しみにしている方もいらっしゃると思います。
選手にとっても4年に1度の大会ですから、4年後は体力気力はもちろん、新型のウイルスの出現で社会情勢すらも、先が見えない感覚があることでしょう。だったら、今年に賭けたいと思うのもよくわかります。
開催に賛成とも反対とも言えませんが、開催するのであれば、無事にすべてが良い方向で終了することを望むばかりです。
オリンピックの起源ではありませんが、ローマ時代には町に闘技場が必ずあり、そこでは人と野生動物、あるいは動物同士、処刑など血なまぐさい出し物が皆を熱狂させていたとか。今よりも人間は野生に近かったのかもしれません。いつでも「死」は身近にあり、動物に襲われるなどの「危険」も現在とは比べ物にならないほど頻繁だったのではないでしょうか。
そんなことを思ったのも、このような本を読んだため、です。
タイトル:「絵で旅するローマ帝国時代のガリア」
著者:ジェラール・クーロン/ジャン=クロード・ゴルヴァン
訳者:瀧本 みわ/長谷川敬
株式会社 マール社 2019年12月
ISBN:9784837309130
人間は娯楽なしには、生きられないのでしょう。
その娯楽は、時代とともに人気のあるものが変遷していく。
さすがにローマ時代と同じ出し物は今では人気を集めることは難しいかもしれませんが、似たようなものはたくさんあります。「レスリング」や「ボクシング」、「闘牛」などなど、こうした競技は人間の本能に根差したものなのかもしれません。よく考えると「やり投げ」や「棒高跳び」にしても、狩りではとても役立つ能力です。
ローマ時代は、こうした闘技ばかりでなく、劇場では演劇や音楽が披露されていました。さらに戦車競技場もあって、これは今でいう競馬でしょうか。思った以上に文化的な生活をしていたのですね。
この本は専門家たちの最新の研究結果が反映されており、かなり緻密な絵がたくさん載っています。
まるで、見てきたかのようです。
ローマ時代の人々の暮らしは、意外と現代と基本は変わっていないのかもしれない。
確かに、交通手段、通信手段、工業化、機械化など道具については飛躍的な発展のおかげで便利な生活を送っている現代社会ですが、日々の営みはそんなに大きく変化していないと感じました。
この1冊が、あなたの心の栄養となりますように。