のんびり過ごしたGWも、もうお終いです。
休みボケが確実です。とても仕事自体を遠くに感じる…。
テレワークとはいえ、仕事は仕事。
きちんとね。しなければ。
でも2日間頑張れば、また土日なんだから。(と自分を励まして)
不定休で働いている方、ごめんなさい。
休みの間、何気なく見ていたNHKで「赤ちゃん本部長」というアニメがありました。
ある朝、起きたら47歳の本部長が赤ちゃんになっていた、というコメディアニメです。
けれども見ていると、なかなか内容がシュールで深淵です。
身体と機能が赤ちゃんで脳みそや声は本部長のまま。
そんなわけのわからない状況なのに、周囲の部下や同僚、果ては上司や取引先まで
赤ちゃん本部長を受け入れてしまうのです。
そして赤ちゃんになってしまったことで、客観的な視点で物事を観察するようになり、様々な問題がかえって明快に浮き彫りになるのです。
育児と仕事の両立だとか、ジェンダーの問題。
娘から(赤ちゃん本部長は娘に送迎してもらっている)「自分の血を引く子どもは絶対作らない、
でもお父さんの面倒は見るから安心して」、と宣言されるシーンがあります。
また、同性愛同士で暮らしている部下がいたり、結婚しない部下もいる。
今まで思い描かれていた人生の設計図、たとえば20代で結婚して、そのうち子供が2人くらい生まれて、
30代くらいでマイホーム買って、ずっと同じ会社で働いて…は、今では幻想にすぎない。
現代は結婚してもしなくても良いし、子どもを持たなくても良い、転職も大いにありだし。
こうした生き方の価値観は、時代によって変化していることをこのアニメはわかりやすく教えてくれます。
つまり、赤ちゃんになってしまったことで、周囲とのコミュニケーションがより親密になり、部下の本音や日常生活が垣間見えるようになったのです。
YouTubeで見られるようです。ご興味がありましたら、ぜひ。
赤ちゃん本部長アニメ – YouTube
タイトル:「小暮写眞館」 著者:宮部みゆき
㈱講談社 2013年10月 ISBN:9784062776738
推理小説というより、中高生向けの青春物語のような読みやすさです。
殺人事件は起こらないし、普通の家庭のごくありふれた風景が描かれています。
けれども、徐々に主人公の家族それぞれの心の奥に秘められていた苦しい記憶が重苦しく明らかになってきます。物語の中心にはないけれど、「いじめ」という名の暴力に深く傷ついた人のことが重なり合って、
後半になって物語が大きく展開していきます。
「いじめ」をする人にも哀しみや寂しさ、自分を認めてほしい気持ちがあることを察することはできても、
そのどうにもならない感情を紛らわせるために「いじめ」をする、というのは許されることではないと思うのです。けれども物語の結末は、ほのかな希望が見える優しいものでした。
もしよかったら、読んでみてほしい1冊です。
この本が、優しいあなたの心の燈火となりますように。