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とうとう12月!

 今年も残りひと月を切りました。
早いですね。本当に。年初には、あれもこれもやってみたい、と計画していましたが思うようには進んでいません。
けれども、拙いながらも自分でこのブログを作ることができたのは、嬉しいことです。

山茶花はだいぶ盛りを過ぎて、あまりきれいとは言えない状態です。まもなく木々の葉も全部落ちてしまうことでしょう。本格的に冬がやってきます。

最近、エッセイを読みました。
『旅人よ どの街で死ぬか』 伊集院 静 著
 集英社 2017年3月 
 ISBN:978-4-08-781623-5

いわゆる旅行先の案内などではなくて、著者にとっての旅の本質を見つめなおす内容です。名所にはいかずに、なるべく場末の酒場や、あるいはあてもなく歩き回ったり、非日常を体験することで、みえてくるものがある…。世の中は解決できない矛盾に満ちています。でもだからと言って、それらを放り出すことはできません。苦しみながらも、泣きながらでも、歩き続けるしかありません。旅は、決して現実逃避ではなく、むしろ自分をみつめる時間だというのが著者の考えです。そして旅は人生そのもの。
さすがに酒場やカジノばかりに足を向けるわけにはいきませんが、なるほど美しい風景は一瞬の感動で終わってしまうな、と思います。
無駄と思えるような時間の使い方こそが最高に贅沢な旅=人生なのかもしれません。

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久しぶりに本を読みました。

なかなか忙しくて、本を読めない日が続いておりました。少し活字中毒気味の私には、寂しいことです。

それに最近は、通勤時に電車で本を読むことが辛いのです。字が見えにくい、没頭しすぎて降り過ごす、などの問題が発生するのです。そうなると、読める場所は自宅が一番です。
でもここにも雑用や家事という魔の手が障害となり、時間が無くなるのですね。悩ましい事です。

読んだ本はこれ
「マイ ストーリー」山本 容子著
新潮文庫 ISBN 9784101311517

著者の山本容子さんは銅板画家で、彼女の独特な世界観が好きです。この作品は自伝でして、まだそんなに人生を振り返るような年齢でもないと思われる時期に書かれたものです。
とにかく意志の強さに驚かされます。自分が自分でいられる事を最優先で行動し努力なさっています。世間体に負けない。作品が売れなければ自活できないけれど、売れる作品と作りたい作品が、必ずしも一致しません。
でも、作りたいものに向き合わないと自分を見失なうかもしれません。葛藤がありながらも、自分のスタイルを見つけて追求していく姿勢に憧れます。それに、仕事だけではなく恋愛も結婚も、すべて同じ姿勢で走り続けている事に感銘を受けました。銅板の作品は、とても地味ですが親しみやすくて、作風も幻想的というのか、物語を感じさせるものが多いですね。それに、どこか寂しげなのが好きなのです。ご興味がありましたら、ぜひ読んでみてくださいませ。
ミッドタウン日比谷のカフェから見た日比谷公園です。
こんなに緑多い公園だったんですね。

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久しぶりの本です。

「読書の秋」とはいえ、眠くて忙しくて、なかなか本を手に取る余裕がありません。
そうすると、小説ではなく、雑学風な本に目が向くのです。前回も道路観察の賜物という感じの本でした。今回も似た感じです。

『表参道を歩いてわかる現代建築』 米田 明・内野正樹・押尾章治・後藤 武 著
 大和書房 2014年6月  ISBN 978-4-479-39254-5

建築物には興味があって、この手の本は大好きです。特に近代(大正時代から昭和初期)の建物は維持管理が困難ですし、耐震の関係もあって有名な建築家の作品や歴史的に意義のあるものしか残っていきません。今では同じデザインや材料で再現することはできないと思うので、なるべく頑張って残してほしいと思っています。
さて、上記の本では現代の著名な建築家の作品を表参道付近にあるものに限定して、デザインの特徴や周囲との関係性をどのように解釈して建築されたか、わかりやすく解説されています。場所柄でブランドの旗艦店が多いのも楽しいところです。
そこで、私は長らく誤解していたことがあります。青山通りに面して建っている「スパイラル」というビルですが、西武系のものだと思っていました。正しくは女性下着メーカー最大手の「ワコール」が文化活動拠点として建てたものだそうです。びっくり!

この「スパイラル」には5階に屋上庭園があり、庭園に面してカフェがあります。庭園には小川を思わせる水辺があってメダカも泳いでいます。真夏や真冬でなければ、庭園にある席でも飲食できます。とても気持ちの良い空間です。

全体を撮ることができなかったので、配置がわかりにくいと思います。ぜひ訪れてください。
店名は「Call」同じフロアで服や雑貨、食品・お茶の販売もしています。豊かな気分になれる場所です。

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読書散歩 その2

「架空の球を追う」 森 絵都著
 文春文庫 2011年8月 ISBN 9784167741044

この作者の短編がお気に入りです。前に「風に舞いあがるビニールシート」を読んで、とても面白かったので。
まずタイトルが奇抜だし、でも読んでみると納得のタイトルだな、と感じました。今回の「架空の球を追う」も、日常のよくある風景の一瞬を切り取って、鮮やかに「そうよね」「そういうことってあるよね」と共感を呼ぶお話が、いっぱいです。

特に「彼らが失ったものと失わなかったもの」が印象的でした。
起こってしまったことを誰のせいにもせず、粛々と受け止め行動することの、何と爽やかなことか!自分を顧みて反省しきりでした。

よろしければ、ご一読あれ。


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読書散歩 気ままに!

最近、こんな本を読みました!

「街角図鑑」三土たつお著

2016年4月発行 
ISBN9784408111834 
実業之日本社 

 

何気なく手に取った本ですが、かなりマニアックな内容でビックリがいっぱいです。
例えば、よく道路で見かける赤いコーンですが、たくさん種類があって微妙にデザインが違うなんて知りませんでした。
実際、視界に入っていても好奇心を持っていなければ、何も知らないままチコちゃんにも叱られるわけです。なんでも奥深い世界が広がっているものです。

読み終わるころには、道路を足元から空まであちこち見ながら歩くようになり、少し危険かもしれないです。けれども楽しい発見があって、世の中には様々なことに興味を持って調べる人がいるのだと感心しました。存在しているものには、すべて意味があるのですね。雑学、万歳!