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日常の一コマ 美味しい一皿 面白かった本

3月になりました。

 うかうかしているうちに、3月になりました。新型コロナウイルスについても予想外の展開で、学校はいきなり休校になるし、テレワークを強力に推奨されるし、世の中大変です。私はテレワークなどできないサービス業ですし、通勤や仕事中にマスクは必需品となりつつあり、手持ちのマスクが少なくなってきました。そこで毎週日曜の昼下がりに薬局巡りをしていましたが、そんなことでは絶対に手に入らないことがわかって、今朝開店早々に近所の薬局に走りました。そしてやっと手に入れた7枚入りの一袋。とうとうゲットしたぞ!という気持ち。同時にデマということですが、トイレットペーパーやキッチンタオル、ティッシュペーパーもすぐに売り切れて、情報に踊らされる、まさに非常事態という感じです。でも、もうすぐお手製のマスクが手に入る予定ですので、並ぶのはこれが最後になると思います。あーでも、お米も売り切れ続出らしいので、心配です。

 先日、お友達と待ち合わせしていた駅のコンコースに臨時のお花屋さんが出ていて、春を満喫しました。特に桃の枝花が人気で、並べる間にもどんどん売れていました。今年は暖かいので、あっという間に咲ききってしまいそうです。そして、またまた美味しいケーキをいただきました。

このイチゴがすばらしかった。写真ではわかりませんが、2種類のいちごが使われていまして、味わいが違うのです。うーん、品種名はすっかり忘れました。お皿の端っこは、ココアパウダーで付けた模様?です。いつのころからか、イチゴは年末ごろからずっと売られていますが、春が一番美味しいように思います。
ところで今回の本はこれ。

タイトル「美大生図鑑」
絵・文 ヨシムラヒロム 飛鳥新社
2017年4月 ISBN 9784864105439

私は、数学が得意な人と絵を描ける人は特別な才能の持ち主だと思っています。つまりは、数字と絵が苦手なのですね。そんなわけで、上記の本が目に留まりました。確かに一般の大学と専門大学では雰囲気がまったく異なります。以前、東京海洋大学に行ったことがありますが、学内全体が魚臭い。そして学生も教授も魚オタクです。部屋で数種類の魚を飼育していて場所がなくなったからと、学校の図書館に置いて世話をしている学生がいると聞きました。美大生も同じようなもの?読めば変人ぶりがよくわかります。でも、芸術って正直よくわかりません。人と同じでは新たなものは生みだせないというのは、なんとなく感じます。そして芸術で食べていくのは至難の業というのも。

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日常の一コマ 面白かった本

お雛様

 もうすぐひな祭りです。我が家にも小さなお雛様を飾っています。すでに家にあるのに、街で可愛いものを見かけると欲しくなるという、物欲の恐ろしいこと!それにしても大掛かりな段飾りからお内裏様とお雛様の2体のみのものまで、焼き物や人形など素材も種類があって、値段や大きさも様々あって、毎年お金と心を奪われそうになります。

さて、今回はオリンピックの総合プロデューサーの野村萬斎さんのエッセイを読みました。

タイトル:野村萬斎 狂言サイボーグ
野村萬斎著 文春文庫 2013年1月
ISBN:9784167838454
これは2001年12月に日本経済新聞社から出た単行本の文庫化ですので、内容はもっと古くて彼が20歳前後から10年ほどの狂言師として歩み始めたころの様々な体験が綴られています。文化庁の芸術家在外研修制度によりイギリスで研鑽したこと、テレビや映画にも出演しつつ、若手で構成されている「狂言ござる之座」の企画運営など幅広く手掛けていることなど、知らなかったので大変興味深かったです。このような活躍の延長にオリンピックがあるのだと納得した次第です。文章も簡潔でイギリス流にウィットに富んでいて、楽しく読みました。
ただ「狂言ござる之座」のパンフレットのあいさつ文は、それに参加した方には良いけれども、舞台なしのあいさつは気が抜けたサイダーのようです。
芸の道は完璧を求めて果てしないものです。精進し続けて息切れしないのか、と心配になります。
ああでも、短距離走ではなく一生掛けていくので大丈夫なのでしょうか。

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面白かった本

読書で少し旅気分

 このところ泊りがけの旅行に縁遠くなっています。先日のコンサートでは、海外の風をちょっぴり感じて、飛行機に乗ってしまえばすぐに旅情に浸れるのに…と思いました。でも現実はなかなか厳しいです。追い打ちをかけるように、昨今は新型コロナウイルスが活発に活動しています。はやく収束して被害が最小限に収まることを願っています。

下記の本で少し旅とスイーツに心惹かれました。

タイトル「ときどき旅に出るカフェ」
近藤史恵 双葉社
ISBN: 978-4-575-52280-8
2019年11月

主人公の家の近くに小さなカフェがオープンしていました。入ってみると大変居心地の良いカフェで、スイーツも軽食も飲み物も世界各地のものを元の風味を生かしながら日本人好みにアレンジして提供してくれる、まさに夢のように完璧なカフェです。しかもオーナーは主人公の勤務する会社の元同僚です。ご縁満載ですね。各章がスイーツをキーにした物語がミステリー風に展開していく連載読み切り形式で、最後にすべてが明らかになるという趣向です。
世界には私たちが知らない食べ物や飲み物、そしてそれらにまつわる文化があって、知らないうちに常識だと思い込んで疑ったことがない物事は、広い世界では本当に小さなことに過ぎなくて、思い込みという枠を外せば、そこにはさらに広い世界がある、ということが主題にあると思います。
外見や噂でしり込みしてしまうことが多いですが、思い切って体験してみると、意外とすんなりとハードルを越えられるのかもしれません。
何より体験してみて初めて、自分にとって好きか嫌いか、相性が良いか悪いか、判断できるのですね。改めていろいろチャレンジしてみたい、と思った次第です。

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思うこと 面白かった本

暴力は絶対だめ!

アストリッドさんの本です。

1978年のドイツ書店協会平和賞を受賞の授賞式での講演原稿を本にしたものです。内容は題名の通りです。児童本作家らしくわかりやすい言葉で明快に暴力の特性とその根源について述べています。
昔から、子どものしつけには鞭が使われてきたということ、そしてそれは「愛の鞭」などと美化され、子どもたちを肉体的にも精神的にも傷つけてきたこと。そうしたことが、暴力の連鎖を生み出している。暴力で人を支配する、国を支配する、社会を支配する、世界を支配する…。
このスピーチの内容は今も色あせない。もしかしたら、より深刻になっているという気すらします。
最近、都営地下鉄の駅には「暴力」に警鐘を鳴らすようなポスターが貼られています。
『人をぶっちゃダメ』とか、毎月文言が違いますが、子どもが書いたと思われる字で。

テレビゲームの架空の世界で戦争ごっこをしていると、現実との境が曖昧になりはしないか、心配です。どんどん刺激的になっていく。そうしないと面白くないから。本当に大丈夫なのでしょうか?

平和って、暴力と違ってとても地味で、爽やかな風のようなものなのかもしれません。誰にも平等に吹いているけれど、なかなか気が付いてもらえない。

タイトル「暴力は絶対だめ!」
アストリッド・リンドグレーン
石井 登志子志 訳
2015年8月 岩波書店

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面白かった本

世界を変えた100人の女の子の物語

上記のタイトルの本を読みました。対象は、小学生高学年以上中学生くらいでしょうが、大人も充分ためになります。内容は、タイトルの通り。取り上げられているのは、古代から現代まで、世界中の国々の女の子です。見開きの左ページに対象の女の子のイラスト、右ページに簡単な生い立ちとやり遂げた事が紹介されています。ずっと昔から女だからと意見を述べたり、好きな事を追求したりすることが困難だったのだと思いました。だから、こんなに勇気ある女の子が、たくさんいたことを知るのは、嬉しいし応援されている📣気がします。

タイトル 世界を変えた100人の女の子の物語 
文 エレナ ファヴィッリ 
  フランチェスカ カヴァッロ 
訳 芹澤恵 高里ひろ 
河出書房新社 ISBN 9784309279312

また、この本はクラウドファンディングで出来たものだそうです。
今どきのスタイルですね。

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面白かった本

児童文学

とっても久しぶりに児童文学を読みました。
まずは「世界を変えた100人の女の子の物語」を読み始め、そこにスウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンの名前がありました。
先日、彼女の青春時代の映画を観たことも影響して、すぐに作品を探したくなりました。


昔、本当に遠い昔「やかまし村」のシリーズを楽しく読んだ記憶が蘇り、急いで図書館で探しました。
確かに今でも「やかまし村」や「長靴下のピッピ」などありました!
でも、その当時は読まなかった本を見つけて借りてきました。

タイトル「わたしたちの島で」リンドグレーン作
尾崎義訳 2014年5月 岩波書店
ISBN:9784001142228

外国の物語は登場人物の名前を覚えるのが大変です。特にこのお話は動物にまで名前がつけられ、人なのか犬なのか、うさぎなのか、兄なのか、隣の家の子供なのか、はたまた男なのか女なのか、ゆっくり話を読まないと呑み込めません。
読むときは、なるべく間をおかずに一気に行くのが良いように思います。

スウェーデンでは、冬が長くしかも太陽を見る事が極端に減るので、夏は近場の島などの家を借りて過ごすのが一般的だそうです。そしてこの物語も作者のそうした経験を元に書かれたそうです。日本人からすると、とても贅沢な気がしますが、そこは地理的条件と文化の違いでしょう。

ワクワクする冒険やミステリアスな話はありませんが、こうした何気ない日常こそが幸せであり、その時間は二度と返って来ないということ。児童向けながら、人生の真理が語られていると思います。それに子どもに対して大人は、常に対等な立場でいる事が重要なポイントです。子どものいう事だから、と軽んじられたりしない。気持ちも考えも受け止めて、一緒に泣いたり笑ったり。少しも古びた本にならない理由だと思いました。

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思うこと 面白かった本

犬について

今年の干支は「ねずみ」ですが、ずっと昔から人の側で仲間のような存在である犬の本を読みました。ペットとして気軽に飼い始めることが多いのですが、生き物は自然そのもの、相手にも感情や尊重されるべき権利?があるように思います。そうした良好な関係が築かれているとき、お互いが幸せなんだろうと思うのです。自分にも小型犬を飼っていた時期があります。小型犬は大型犬ほど散歩や食事に気を使わずに済みますが、犬には犬の感情や事情があるのは同じ。家族の一員であり、なぜか王様だったり子供だったりします。そんなことを久しぶりに思い出しました。

タイトル『グレイのものがたり』
いせひでこ著 中公文庫 2017年6月
ISBN:9784122064225

この本に出てくる犬は大型犬のシベリアンハスキー犬です。そのため訓練して人がコントロールして犬の行動を制御する必要があります。欧米ではしつけが行き届いているので、大型犬でもリードなしで散歩したり電車に乗っていたりしていて感心したものです。
文中に「甘やかすのと、かわいがるのは違う」という言葉が出てきます。この違いを理解して実践するのは、本当に難しいことですね。
主人公のグレイは訓練半ばで病に倒れ、あっけなく天国に旅立ってしまいます。その間の家族の心境や大切な時間を丁寧に記録されています。本の中でお知り合いになっただけですが、何か同じ時間を共有していたかのような気持ちになりました。読み終えたあとは、ぽっかり心に穴が空いたようです。

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未分類 面白かった本

そろそろお仕事モードへ…。

長かったお休みも、そろそろお終いです。年末は少し早めに休みを取りましたので、例年になくゆっくりできました。その分休みボケで、たまった仕事にオタオタすることでしょう。予想できてしまうのが、なんとも…。気持ちも新たにやる気満々で臨みたいという希望はある。絶対ある!頑張ろう!
自分で自分を応援する気持ちです。

休み中に読んだ本です。

タイトル『わたしの木、こころの木』
絵・文 いせ ひでこ 2014年7月
ISBN:9784582836677

いせひでこさんの絵が好きで、時々絵本を見ています。上記の絵本は「婦人之友」に連載されたものに加筆修正して作られたものです。私はいつも木の様子を観察するのが好きで、写真に撮ることも多いのですが、木の名前を覚えるのは全くダメです。よく見わけができる「桜」「松」「ヒマラヤスギ」はいいのですが。でも「松」といっても、黒松、赤松など多くの種類があって、その見分けは私には難しいのです。そのため、心の中で木の名前は呼ばずに「こんにちは」などと話しかけています。(変人?)
木と仲良くなると、風や匂いに敏感になります。都会には森が少ないので、数本の木に自然を感じるなんて大げさなようですが、それでもリラックスするように思います。時には街路樹や公園の木を観察してみてください。ただ、最近街路樹は剪定されすぎて木の生命の勢いがそがれてしまっていて、とてもかわいそうです。

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未分類 面白かった本

どんどん読書!

 長いお休みは滅多にないので、読書三昧は目標でした。でも小掃除やら買い出しやらで、なかなかまとまった時間がとれず、1日中本に没頭とはいかないところが悲しいです。
それでも2冊目です。読みました。

『アンソロジー 隠す』
 大崎 梢・加納明子・近藤史恵・篠田真由美・
柴田よしき・永嶋恵美・新津きよみ・福田和代・
松尾由美・松村比呂美・光原百合
文春文庫 ISBN:978-4-167913892 2019年11月

タイトルのテーマでそれぞれの作家による短編ミステリーのアンソロジーです。久しぶりのミステリー、しかも短編ということで、あっという間に読み終わりました。趣向を凝らしたお話が次々読めて、楽しいです。さらに隠れた共通点を探すことができます。ミステリーもその時代を映した内容に進化していくものだと実感します。
ちなみにこちらは、アンソロジー第3弾ということで、これより前に「捨てる」「毒殺協奏曲」が出ているそうです。(第2弾「毒殺協奏曲」はPHP文芸文庫)時間があれば、こちらもね。
そろそろゆったりしたお休みもお終いです。
心も体もお仕事モードに切り替えが必要です。
なんだかリフレッシュというより、怠惰な習慣が身についた感じです。まずい!

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日常の一コマ 面白かった本

ゆず湯にしました。

 今日は冬至というので、お風呂にゆずを1個投入しました。なにしろ1個ですから、良い香りが充満ということはなくて、ほのかに香りがあるかないか、という奥ゆかしいものでした。やはり2~3個入れると違うのかも、です。
いよいよ年も押し詰まってきました。
掃除や部屋の散らかり具合が、とても気になります。
ちゃんとやれば気持ちが良いのはわかっています。
でも、やればやるほど際限がない、普段どれだけ見て見ぬふりをしているか、よくわかります。
今年も大掃除ではなく、小掃除でいきます。

さて、今回もエッセイの感想です。
読んだのは、下記の本です。

タイトル「下北沢について」吉本ばなな著
幻冬舎文庫 平成31年2月 
ISBN:978-4-344-42840-9

 吉本さんの作品は実は1冊も読んだことがありません。小説やエッセイもまるきりご縁がありませんでした。この本はエッセイで、下北沢への愛着が語られています。土地に呼ばれたかのように住み始めて、その居心地の良さに今も住み続けていらっしゃる。お気に入りの街の条件は人それぞれ違うと思いますが、吉本さんにとっては近所づきあいが決め手のよう。つかず離れず、でも一大ピンチの時には深く助け合ってくれる人に巡り合う。そんな人と出会えるお店が何軒かあって、もちろん子連れもOKで。
そんな下北沢も時代の変化には抗しきれず、昭和の香りのする店はどんどん消えていったそうです。(それは下北沢に限りませんね)そんなに長く同じ街に住み続けたことがないので、そこまで愛着を持てることに憧れます。私にとって住みたい街はどこだろう?

こちらのお店にはHPはなく、Facebookでイベントなどの情報を公開しているようです。地下では映画の上映もあるらしい。Googleで検索しても見られます。昭和レトロがお好きでしたら、ぜひ。