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読み物 雑学 面白かった本

お彼岸です。

 よく暑さ寒さも彼岸まで、と言われます。
どうやら今年も当てはまりそうです。
昔から伝えられている言葉は、こんなに気象が変化しても意外と通用することもあります。
気象といえば、朝ドラも終盤を迎えて、展開にハラハラすることもなくなりました。少し寂しいです。
次に期待しましょう。

タイトル:リスク心理学 著者:中谷内一也
株式会社筑摩書房 2021年7月
ISBN:9784480684042

リスク心理学 / 中谷内 一也【著】 – 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)

 コロナ禍ですが、ワクチン接種が進んだおかげで、感染者数が減ってきています。
そのせいか、人出が多くなっているようです。
人々の意識は確実に変化していると感じられます。
それは、人に備わった危機意識への対応に秘密がありそうです。
その辺をわかりやすく説明してくれる本なのです。

本当にいろいろなことを研究している人がいるものです。
それが、世の中を快適に、あるいは便利にしていくのですね。
どんなことが世の中で役に立つか、初めから見通しがついていることは少ないと思われます。
また、こうなったらよいという結果に沿うような実証を上げたい、ということもあると思います。いずれにしても、地道に検証を重ねていくことが大事なことと思います。
研究者にはなれなくても、地道にコツコツやっていくことは日常生活でも大事なことです。
答えはあるのかないのか、だれにも分かりません。
正しいことなのか、間違っていることなのか、判断もできないことはたくさんあります。
スピードを求められる今こそ、足元を見つめるときなのかもしれません。

この1冊が、あなたの心を照らす道案内になりますように。

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エッセイ 面白かった本

日差しがない9月です。

 9月になった途端、涼しくなったのは歓迎ですが、長らくお日様をしっかり見ていません。
薄曇りだったり、一時的な晴れ間だったり。
農作物への影響が心配です。
実際、野菜や果物の値段が高いように感じます。
あんなに暑かったのに…。
雨も多いですし、天候不順はこのところ毎度な感覚ですが、気象変動が環境に及ぼす影響を思うとき、人類の未来が心配になります。食生活、エネルギーの効率的な使い方、つまりは暮らし方すべてを見直すべき時なのかもしれません。

タイトル:料理が苦痛だ 著者:本多理恵子
自由国民社 2018年11月 ISBN:9784426124830

料理が苦痛だ / 本多 理恵子【著】 – 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)

Cafe Rietta

実際、料理は得意とは言えません。
けれども、どんなに料理を好きな人でも、疲れ切って何もしたくない日もあると思います。
そんな時にお勧めな一冊です。
目から鱗の簡単レシピが少々と、料理することをいったんやめてみる、という大胆な提案。
エネルギーをチャージするためなのです。
そうそう!と相づちを打ちながら、あっという間に読破。

コロナ禍で毎日キッチンに立っているあなたに。
レシピに行き詰ったあなたに。
気持ちを切り替えるきっかけの1冊になりますように。

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雑学 面白かった本

パラリンピックです。

パラリンピックの理念が素敵です。
「失ったものを数えるな。今あるものを活かせ。」
アスリート達が輝いて見えます。
コロナ禍であっても、開催できて良かったと思いました。
大会に向けて、すべてをベストコンディションにもっていけるように準備していたことが、よくわかります。
1年の延期は、その準備を再度やり直すことから始まっていました。そして「延期」というのは、必ずしも「開催」を約束するものではありませんでした。
心が揺れる毎日だったことでしょう。
1年という時間のために、環境や体調などに変化が起きて参加できなかった方々もいらっしゃると思います。
それだからこそ、参加できたアスリートたちがまぶしく見えたのかもしれません。
これは、パラスポーツのアスリートたちだけではなくて、健常者のアスリートたちも同じです。

特にパラリンピックでは、理念をそのまま体現されていることに力と勇気をいただきました。

ありがとうございました。

タイトル:AI社会の歩き方 人工知能とどう付き合うか
著者:江間有沙 株式会社化学同人 2019年2月
ISBN:9784759816808

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AI社会の歩き方―人工知能とどう付き合うか

以前、同じ著者のAIについての本を読みました。
そちらが、とても読みやすかったので、さらに踏み込んだ内容のものとして上記の本を選びました。
AIは、すでに様々な分野に浸透しており、文化・社会・法律・産業などお互いが密接に関連しています。
AIについて調べたり学んだりすることは、この現実社会について知ることであり、実現したい未来の社会の在り方を考えることでもあります。
この本では各章の終わりに、寓話が差し込まれていて、読み進むうちに寓話も進展していきます。
それにこの寓話には、章のまとめ的な役割もあり、内容を整理していて、わかりやすくなっています。
終章の寓話はどんでん返しもあって、
各章のこの部分だけ取り出して、まとめてもお話として成り立ちそうです。
とても読みやすいので、未来を知るためにオススメします。

この一冊が、あなたの人生の道案内になりますように。


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エッセイ 思うこと 面白かった本

大雨が続きます。

 オリンピックが終わった途端に、大雨が続いています。
あんなに暑かったのに、雨の日が続いて段々肌寒い感じがするくらい気温が下がっています。
これも温暖化の影響なのでしょうか?
激しすぎる雨の降り方に、戸惑うばかりです。
被害に遭われた方、不自由な生活を送ってらっしゃる方、心よりお見舞い申し上げます。
毎年、夏も冬も、そればかりか1年中、災害が絶えることがありません。
どうしてこんなことになってしまったのか、だれもはっきり答えることはできないですが、
何気ない日常生活の中にも、もしかしたら原因があるやもしれません。
便利で快適な生活は、なにか自然のサイクルとは相いれない部分があるのでは、と思います。

タイトル:ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道
編:「 ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道」 実行委員会
株式会社 童心社 2021年6月
ISBN:9784494017393

ありがとう 絵本作家・田畑精一の歩いた道 / 「ありがとう絵本作家・田畑精一の歩いた道」実行委員会【編】 – 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア (kinokuniya.co.jp)

恥ずかしながら、お名前を存じ上げなかったのですが、「おしいれのぼうけん」という絵本の絵がとても印象に残っています。
小学生のころ、このお話を書いた「古田足日」さんが大好きで、本当にいろいろ読みました。
なんというか、躍動感のある子供たちのお話が楽しくて。
田畑さんという方は、絵本は作家と共作という意識があったのでしょう。
絵:田畑精一 とは書かれていません。
そしてどんな本の絵を描くときも、その内容や情景に納得いくまで向き合ったことを知りました。
人に伝えることは、伝える中身に責任を持つことなんですね。
どんな仕事もコミュニケーションなくしてできません。
相手に何をどうやって伝えるか、自分の考えをまっすぐに伝えたい。
このことがうまくいったとき、その仕事の8割は成功したといえる気がします。
だからこそ、素直に自分のことを伝える態度が必要だと思うのです。

この1冊が、あなたの生きるヒントになりますように。

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雑学 面白かった本

オリンピックもお終いです。

 様々な問題がありながら開催されたオリンピックですが、もうお終いです。
開催地であることが、どれほど有利なことか、特に今回のような新型ウイルスにより規制の厳しい時には
実感させられます。
とはいえ、どの国の選手もこの大会に向けて鍛錬し夢の舞台に上り、その成果を問うたのです。
そのすばらしい姿は、どんな状況であっても称賛されるべきことでしょう。
一方で、この大会のために建設された多くの施設が、競技中であっても人気がなく閑散とした雰囲気で、すでに遺産となっているかのようです。
オリンピックの精神はそのままに、もっとシンプルに巨額の資金を必要としない大会の在り方を真剣に考えたいものです。

タイトル:POOL 世界のプールを巡る旅 著者:クリストファー・ヒーンランド
翻訳:大間知 知子 株式会社 青幻舎 2021年6月 ISBN:9784861528125

 オリンピック競技の中で競泳は、個人競技でタイムを競うシビアな競技の一つですが、映像的には涼し気に見えます。そんな不純な気持ちで、タイトルだけで選びました。
けれども、これは世界のプールでも建築が素晴らしいとか、立地がすごいとか、そうした驚きももちろんですが、欧米諸国の人々にとって、プールは特権階級の人々のものではなく、むしろだれでも安価に利用することができる公共施設であること。そしてまた、多くの国々で維持管理の問題や新たな施設の建設のために閉鎖されたり、無くなったりしていること。
けれども、ここ数年で地域の人々の協力によって忘れられていた施設をよみがえらせた例が多いこと。
近年は自然の力で(植物の力)でろ過し、安全安心なプールが目指されていること。
上記のような予想外の驚きがありました。
地域の重要なコミュニテイーとしての機能もあるということは、日本でいえば「銭湯」のような存在なのでしょうか。それにしても、海水が入り込むようなプールや、池のプールなど、行ってみたいプールがたくさんあります。そして断然プールは屋外にあるのが望ましい。正直、泳ぐのは得意ではないのですけれど。
プールを舞台とした小説などの著者にインタビューしたものも載っています。
みなさん、「泳ぐことは人生」とか「泳ぐことで心の平安を得られるし、これ以上の方法は見つからない」と異口同音に語っているのが印象的です。
そういえば、水の中でぷかぷかしているのは、気持ちよいです。
でも消毒液の匂い、どうにかならないでしょうか?
あれさえなければ、と思う方もたくさんいらっしゃるのでは。

この1冊が、あなたの人生のヒントになりますように。

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エッセイ 思うこと

急な豪雨に注意!

 この夏は、大気の状態が不安定なようで、例年に比べて雷雨が多いように思います。
黒雲が遠くに見えても、自分のいる場所はカンカン照りだったりして。
そしてにわかに黒雲に覆われて激しい雨が降る、ということがよくあります。
雨の降り方もいままでの経験を超えることがありますので、注意が必要です。
気象の知識が今ほど、重要なことはなかったと思います。
都会に暮らしているとつい、安全で安心な環境にいると思いがちです。
けれども、これからの時代は正しい情報と知恵と工夫が大事なんだと思うのです。

タイトル:ココ・シャネルの言葉 CHANEL 著者:山口路子
大和書房 2017年12月 ISBN:9784479306726

 この本ではシャネルが言った言葉を右ページに紹介し、左ページにどんな時に発せられた言葉なのか、あるいはその言葉からシャネルの人生や性格、シャネルが生きた時代を簡潔にまとめています。
「シャネル」 というブランドは他のブランドとは違って、とにかく入りにくい、値下げなどない、時代に迎合しない、というイメージがありました。
それは、シャネル自身の生き方が今でも色濃く反映されたブランドだから、と思います。
誰もがシャネルのように自分を貫く生き方をまねできるものではありませんし、その強い信念は畏怖すら感じます。だからこそ、ファッションで女性の生き方までも変えてしまうほどの影響力があったのでしょう。自分のことをよく知り、周りに流されることなく自分第一主義を守り抜いたのです。
傲慢といわれるほどに。
真似はできませんが、少なくとも自分が信じることは誰が何と言おうとも大事に守りたい、そんなことを思いました。

この1冊が、あなたの人生の友となりますように。

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お役立ち本 思うこと

猛暑がやってきた!

 とうとう梅雨も明けて、暑い暑い夏がやってきました。
入道雲がモクモクして、青空に様々な形になって楽しませてくれます。
急に暑くなったので、体調管理に気を付けましょう。
冷たいものを口にしたくなるけれど、ほどほどにしないと胃腸が冷えてしまいます。
冷房も要注意です。なぜか足元は冷えます。

 先日、カナダ人作家の読み聞かせをご案内させていただきました。
いわゆる「読み聞かせ」というよりは、知り合いに語り掛けるような自然な「読み聞かせ」でした。
肝心な「絵」がよく見えなかったのが残念でした。
購入するか、図書館で借りるか、本屋さんで立ち読みするか…。
辻仁成さんの訳もこなれており、物語がすっと入ってきました。
お話自体は、ロミオとジュリエットの現代版ですが、現代社会の分断、宗教の在り方、大人の常識、そして夢そのものも「今」を映し出していると思います。
どこかで目にしましたら、手に取ってみてください。


タイトル:「AIと社会 未来をひらく技術とのかかわり方」著者:江間有沙
株式会社 技術評論社 2021年6月 ISBN:97842977121303

 この本は、AIがすでに社会に浸透しつつあること、どんなことができて、何ができないのか、どのような仕組みで動き、その品質の保証はだれがどのようにするのか、法整備はされているのか、などと広範囲にわたって今の状況と来るべき未来の姿を教えてくれます。
AIとは、なりたい未来の姿を実現する道具なのです。
AIは学習することが特色です。学習するにはデータが必要ですが、このデータは社会の今を色濃く反映したもので、意識しようがしまいが、バイアスがかかっているのです。常識だって、時代につれ変化します。
そのためAIがいつも正しい答えを出すとは限りません。
そしてAIは判断しない、AIがだした答えを採用するかしないかは人間が決めるのです。
だからAIがどのようなデータを学習し、答えを導き出したかをなるべく正しく推測することが重要なのです。残念ながら、完全に説明することは困難だそうです…。


かわいらしいキャラクターが楽しい本ですが、内容はすこし専門的です。
持続可能な社会の実現に向けてAIはなくてはならないもの、との認識を強くしました。
誰もがAIを使いこなす日がやってるのです。
絵本に描かれていた「夢」と相まって、ワクワクします。

あなたにとって 、この1冊が未来を拓く助けとなりますように。

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思うこと 読み物

カナダ人作家による絵本の読み聞かせ。

 夏を目の前に、今年も半分過ぎました。
年度でいうと、まだ半分過ぎてないですが、お役所などは今年度の予算を使い切るために、早目の進行が求められる時期です。特に今年はオリンピック・パラリンピック開催のため、テレワークが推奨されて手続きが遅くなると思われ、さらに物流も滞りがちと予想されており、厳しい状況です。
9月ごろから急に忙しくなりそうで、怖いです。

毎夏、暑さが異常で体調管理が大変です。
それでも、ワクチン接種をすることにしました。
近所のかかりつけ医で、1回目が8月に予約が取れました。(2回目は9月)
ワクチンに関する様々な情報は、どれが信ぴょう性が高いのか、少しも判断がつきません。
けれども、免疫を獲得することが感染の予防に大きな役割を果たすとなれば、これはやはり接種するしかない、と思いました。接種の翌日が痛いとか、腕があがらないとか、よく耳にします。不安です~。

話は全く変わりますが、カナダ大使館の中に図書館が併設されていることは、おそらくそんなに知られていないと思います。入館時に身分証明書の提示が求められますが、だれでも利用することができます。
残念ながら、現在はコロナ禍のため大使館自体が緊急を要するもの以外の業務は基本的にテレワークになっていますので、図書館も閉鎖されています。けれども明日の日曜日限定で原作者による絵本の読み聞かせがYouTube配信されます。
7月18日午前11時から19日午前11時まで 24時間限定です。

https://www.youtube.com/watch?v=H3L0Bc7zX-U

タイトル:おなじ星をみあげて 著者・イラストレーター:ジャック・ゴールドスティン
訳者:辻 仁成 

絵本のあらすじは、若いユダヤ人の少年とイスラム教徒の少女がモントリオールの労働者階級地区・マイルエンドの公園で出会います。
彼らはお互いに星や星座に深い興味を持っていることを知り、いつの日か科学者や宇宙飛行士になることを夢見て語り合います。
けれど、二人が仲良くなることを親は許しません。親同士は喧嘩をし、女の子一家は引っ越してしまいます。… あとはお楽しみ。
この本は7/29に発売予定です。

ジャック・ゴールドスティンさんとは?

ケベック出身のジャック・ゴールドスティンはBD及び子ども向けの本の作家、イラストレーターです。

地質学者の道を歩み始めて間もなく、ジャック・ゴールドスティンは1981年に処女作 Le Petit Débrouillard (ル・プチ・デブルィヤール)でイラストレーターとしてデビューしました。この本では科学好きな登場人物たちがさまざまな実験を体験していきます。その一人「ベッポ」という名のカエルは彼の雑誌 « Les Débrouillards » (レ・デブルィヤール)のマスコットとなりました。

BD以外の分野では、6歳から106歳までの子どもたちのために、l’Arbragan (ラルブラガン) と Azadah (アザダ) のような作品(文とイラスト)を発表しています。これらの本は多くの言語に翻訳され、《モントリオールの図書館》賞、《カナダ総督》賞、《ALSJ(フランス・ジュニア書専門店協会)の魔女たち》賞を受賞しています。

よろしければ、ぜひYouTube、ご覧ください。24時間限定です。

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エッセイ 思うこと 面白かった本

梅雨、真っ盛り…。

 大雨が続いています。大きな災害につながらないことを祈るばかりです。
けれども今年も災害が起こってしまいました。被害に遭われた方、大変な思いをされた方、皆様にお見舞い申し上げます。

こういう時は、日頃の備えが問われるわけですが、心配性の割には物理的な備え、たとえば「水」や「食料」の備蓄、非常持ち出し袋の常備というのは、自分にとってかなりハードルの高いことです。備蓄場所を確保すること、また避難のためには、備蓄とは別の持ち出しのための様々なグッズの収集、それらの期限管理、はたまたそれを日ごろから点検し、便利グッズがあれば内容物のアップデート、どれをとっても苦手なことばかりです。
なにしろ、日常に必要なものたちの整理整頓だって、なかなかままならないのですから、当たり前ですが。
よく片付けについてのムック本などを見ていると、日常的に片付け上手な人は、非常時の備えも万全という方が多いように思います。そりゃそうだ、と自分に突っ込み、防災はやっぱり難しいと落ち込みます。

タイトル:「Q 人生って?」 著者:よしもとばなな
株式会社幻冬舎 2011年8月 ISBN:9784344417274

 タイトルのように、よしもとさんの人生に対する考えが書かれています。
もともとご自身のサイト内で質問コーナーを設けており、そこで様々な質問に答えてこられる中で、繰り返し出てくるテーマがあり、それを共通の悩みとして取り上げて質問に答える形式のエッセイとなっています。たとえば、目次には以下のような質問があります。「ほんとうの優しさってなんだと思いますか?」 とか、「つきあっている人にお金を貸してくれと言われたら、どうすればいいのでしょうか?」 「死への不安にとらわれてしまうとき、どうしたら前向きな気持ちになれますか?」 などいかにも人生の深いお話から、日常によくある悩みまで、フルコースです。ご自身の体験・経験から得られた感想や見解が、とても正直に語られていて、好感が持てます。こうした人生相談は、一般論か理想論、中庸が肝心などなど、なかなか苦しい気持ちに寄り添った答えがないことが多いものです。
もちろん、人生に正しい回答などあるはずがないのですが、それでもなお辛いとき、宗教などの既存の教えばかりではなく、もっと身近に気持ちの支えが欲しい。
みんな一緒なんだよ、状況は違っても同じように辛いことがあるんだよ、でも大丈夫。
それでもなお生きることが大事だし、自分が楽になる視点をみつけるといいよ、と勇気をもらいました。

この1冊が、あなたの暮らしに寄り添う本となりますように。

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雑学 面白かった本

朝ドラ

 今度の朝ドラは、ヒロインが気象予報士を目指して、世の中のお役に立っていくお話のようです。
背景に写る自然の情景が、特に空の表情が素敵です。もちろんヒロインをはじめ、登場人物の皆さんも、とても素敵です。一人一人の心情が的確に描かれているのでしょうね。わかりやすいと思うのです。
現実の世界では、自分のまわりの人たちが何を考えているか、どう受け止めているか、わからないことが多いですから。実世界は、様々なことがわからないから筋書きのないドラマなんでしょう。
なんとなく習慣的に見ていますが、毎回いろんな工夫があって楽しみです。

タイトル:デジタルで読む脳 × 紙の本で読む脳
著者:メアリアン・ウルフ 訳:大田直子
株式会社インターシフト 2020年4月
ISBN:9784772695671

 PCの画面でマニュアルを見てもなかなか頭に入らないと感じていました。
昨今、印刷するのは紙の無駄遣いとされているので、なるべく控えておりました。
けれども、印刷したものを読むと安心できる気がしていました。
それはあながち間違った感覚ではないようです。言語を話すとか、文字を読む、という行為は遺伝ではないので、学習して習得する必要があります。話すことは、周りの人を見て聞いて、まねることで身に付きますが、読むことは自分の中で消化していくことなので、まねて覚えることができません。まずは、文字と実際のものを観たり、触ったり、なめたりして、照合して覚えていく。難しいのは概念です。経験や学習から脳のあらゆるネットワークが構築されて、そして文字の意味だけではなく、文章を理解できるようになるそうです。しかもごく幼少期が一番大事らしい。特に絵本の読み聞かせが重要なんだとか。そして衝撃なのは読書をしないと、読むための脳のネットワークは、たとえ大人であっても、いとも簡単に壊れてしまうこと。能力は使わないとだめになるのだそうです…。つまり歩かないと足の筋力が衰えてしまうように。
デジタルで読むことのマイナス点は、どうしても注意力が散漫になり、情報量が多いため処理できる量が減ってしまうこと。また作文も、長い文章を書けない子供が多いのだそうで。ラインやチャットを見ればわかりますね。でも時代の流れは止められません。現在、デジタルで読むことと紙で読むこと、両方を使い分けができるように子供たちを教育するプログラムの研究が進められているそうです。
どんな未来になっていくのか、楽観的に考えたいところです。

この一冊が、あなたの生活のヒントになりますように。