朝晩、だんだん冷えてきました。その分空気が澄んできて、キリっとした風景に出会うことが多くなりました。
なんというか、建物や山の輪郭がくっきり、はっきり見える気がするのです。
寒さは、大の苦手ですが、この空気感は好きです。皆様は、どんな空気感を感じますか?
こんな本を読みました。
タイトル:「子どもの本から世界をみる」
著者:石井郁子 他6名 株式会社かもがわ出版
2020年9月 ISBN:9784780310955
サブタイトルに「子どもとおとなのブックガイド88」とあり、絵本や物語、ドキュメンタリーから詩まで、児童書を紹介しています。児童書とはいっても、対象が中学生のものもあり、もちろん大人にも、というか自分も読みたいと思う本が多くありました。
(お勧めされているのはやはり大人、です。)
時代が変われど、子どもの気持ちは変わらない。子どもはとても純粋だけど、時にとても残酷だったりします。でも過酷な状況を乗り越える精神と知恵と体もあります。
子どもだからと言って一人前に扱わないのは、その子の将来に大きな影響をもたらす気がします。
本の中の冒険や主人公の気持ちは、読み手が主人公に重なってしまう感じがすることもあるでしょう。同じ本を読んでも皆同じイメージで物語を解釈しているわけではなく、視点が違うので感動する箇所や面白いと思う場所が違う。
読書っていいな、と思うところです。
それにしても、かなり重い内容の本が紹介されています。
読書感想文など求められない大人になると、ノンフィクションなどは問題意識が余程ないと手に取らない分野ではないでしょうか。
現代の闇、普段の生活の中の矛盾、理不尽な状況…。過去の過ち、でもそれは終わっていないし、終わりが見えない。
たくさんの児童書の批評を読んで思ったのは、世の中が便利になっても、太古の昔から人の心が大事なことは変わらないし、尊重しあうことを一番にしなければならない。
そのことを今このコロナ禍で学んでいる最中です、私。
ある一文が心に残っています。
「明るい希望 それは他者から手渡してもらうものではなく、自分を照らす力のことだと、どうか、あなたも信じてほしい。」