カテゴリー
思うこと 面白かった本

愛情?

 このところ、11月とは思えないような暖かさ(えっ 暑い?)が続いています。
寒いのが苦手な私にとっては、大変喜ばしいことです。
とはいえ、もうすぐ冬が来るのですから、このような気温はそう長くは続かないでしょう。
冬には冬の楽しみ、喜びがあるのも、わかってはいるのですが。
例えば、鍋の美味しいこと。キリリとした空気に白い息を吐きながら歩く楽しさとか。
よく見てみれば、ほんの些細なことも気持ちをほぐしてくれるんだな、と最近よく感じるようになりました。
忙しさに紛れて、いつも心配事ばかりで頭がいっぱい、という状況は今もそう大きくは違わないのですが、テレワークになると本当に外に出る時間がなくなるので、意識的に朝15分程度散歩をすることにしたのです。
やってみるまでは、そんなに大した影響はないと思っていました。時間も短いので遠くまで行かれないし、ゆったり歩くので運動にもならないし。(たしかに運動にはなりません。これは明白。)
けれども、すこーし気持ちが緩むようなのです。近くの川辺を歩くだけですが、日によってシラサギがいたりして、毎日見える風景が違うのです。当たり前といえば、当たり前ですが。
でも、私はそんなことも忘れていたのです。余裕がないのですね。
これからは意識して、自分を労わることを優先したいと思っています。
皆さんも、どうかお試しください。ほんの小さなことでよいのです。
さて、今度はエッセイを読みました。

タイトル:「小さな幸せ46こ」 著者:よしもとばなな
中央公論新社 2018年6月 ISBN:9784122066069

このエッセイの中に、著者がたくさん動物を飼っていることを知りました。
幼いころから、さまざまな生き物に接してきたそうです。
当然、生き物との出会いも別れもたくさん経験されています。
そうした文章のなかに、犬や猫など家の中で一緒にいることが多い動物は
特にいつも飼い主を見ている、というのです。
だから、いなくなってしまうと空虚な気持ちとともに視線がないことに
胸を突かれる、見ることは彼らの愛情そのものと感じた、という趣旨でした。
愛情は、見ること。とても説得力があると思うのです。
関心があるから見る、気に掛けるから見る、見るからその人の心のあり様が少しわかる、
見ることで手を差し伸べることができる。
これからは、見ることを意識していきます。



カテゴリー
思うこと 面白かった本

冬 近し。

朝晩、だんだん冷えてきました。その分空気が澄んできて、キリっとした風景に出会うことが多くなりました。
なんというか、建物や山の輪郭がくっきり、はっきり見える気がするのです。
寒さは、大の苦手ですが、この空気感は好きです。皆様は、どんな空気感を感じますか?

こんな本を読みました。

タイトル:「子どもの本から世界をみる」
著者:石井郁子 他6名 株式会社かもがわ出版
2020年9月 ISBN:9784780310955

サブタイトルに「子どもとおとなのブックガイド88」とあり、絵本や物語、ドキュメンタリーから詩まで、児童書を紹介しています。児童書とはいっても、対象が中学生のものもあり、もちろん大人にも、というか自分も読みたいと思う本が多くありました。
(お勧めされているのはやはり大人、です。)
時代が変われど、子どもの気持ちは変わらない。子どもはとても純粋だけど、時にとても残酷だったりします。でも過酷な状況を乗り越える精神と知恵と体もあります。
子どもだからと言って一人前に扱わないのは、その子の将来に大きな影響をもたらす気がします。
本の中の冒険や主人公の気持ちは、読み手が主人公に重なってしまう感じがすることもあるでしょう。同じ本を読んでも皆同じイメージで物語を解釈しているわけではなく、視点が違うので感動する箇所や面白いと思う場所が違う。
読書っていいな、と思うところです。
それにしても、かなり重い内容の本が紹介されています。
読書感想文など求められない大人になると、ノンフィクションなどは問題意識が余程ないと手に取らない分野ではないでしょうか。
現代の闇、普段の生活の中の矛盾、理不尽な状況…。過去の過ち、でもそれは終わっていないし、終わりが見えない。

たくさんの児童書の批評を読んで思ったのは、世の中が便利になっても、太古の昔から人の心が大事なことは変わらないし、尊重しあうことを一番にしなければならない。
そのことを今このコロナ禍で学んでいる最中です、私。
ある一文が心に残っています。

「明るい希望 それは他者から手渡してもらうものではなく、自分を照らす力のことだと、どうか、あなたも信じてほしい。」