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面白かった本

暑くても読みます。

うだるような暑さが、続きます。近くの公園では、毎年「みみず」が土から這い出して乾燥して死亡しています。たぶん、土の中も異常な暑さで、たまりかねて外に這い出すけれど、今度は日差しと温度で乾燥してしまうのだと思われます。本当に気の毒な「みみず」たちです。虫にもこんなに危険なのですから、人間だって油断していると危ないと思います。
どうぞ、皆様も水分補給と良質な睡眠を心がけてください。
さて、読書の成果です。

三越日本橋店のディスプレイです。
涼しげでしょう?

タイトル:「ダブル・フォールト」 真保 祐一 著
株式会社 集英社 2017年10月 ISBN:9784087456431

新人弁護士の成長物語です。法律の知識を少し知ることができるし、弁護士の実状もリアルです。
そういえば、以前「弁護士ドットコム」というサイトで弁護士さんを探したことがあるのですが、大きな事務所から、一人でマンションの一室で事務所を構えて営業されている方もいて、まさに競争が激しい感じでした。このサイトでは、たしか24時間いつでも弁護士さんに相談できるのところがあっって、すごいと思いました。誰でも受け付けているわけではなかったと思いますが。
至急、どうしたらよいか、知りたい時には、とても便利です。

 物語は、最初のうちは展開がゆっくりで平凡そうな事案に思えますが、後半になると急に伏線が繋がり始め、事件の全貌が明らかになって、そして思いがけない結末を迎えます。
善行ばかりの人も、極悪非道だけの人もいないけれど、悪行は歯止めがないと底知れない深さを感じるものです。
それだけに被害者なのに悪行が明らかになると、急に自業自得という言葉通りに世間は考えるし、身内さえも、そんな思いから抜け出せない。いくら家族には優しかったとは言っても、外での振る舞いは家族の想像を超えたひどいもので、一生罪の意識を背負わなければならない…。本当に?
問われているのかもしれません。 
罪は犯した人のもの、家族までもが背負わなくても良い、と割り切れるものか?
弁護士といえども、法を犯す寸前まで追い詰められたら、どうするのか。
何でもありの昨今で、健全な倫理観というものは存在するのか?
心もとない気がするのは、私だけでしょうか?