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思うこと

朝晩の風が、少し秋めいて…。

 暑いのは相変わらずですが、朝晩の風が気持ちよくなりました。
夕方には、秋の虫の声が聞こえます。季節は、確実に進んでいるのだと感じます。
でも、最近は「秋」が短い!涼やかな気候が、すぐに寒さに変わってしまいます。
温暖化の影響なのでしょうか? なぜか、暑さだけではなく、寒さも厳しい気がします。

 身の回りで、変化が起きています。というか、変化を起こしました。
職場を変えることにしたのです。
あれこれ悩んだ末の決断でしたが、自分のことを一番大切にしようと考えたので、気持ちスッキリ。私は、できることを、丁寧に正確にしていきたい。
ある時、カフェで誰かが言っていました。
仕事を早くたくさんこなすことが「仕事ができる」ということではなくて、丁寧に正確にやることが「仕事ができる」ということだと思う、と。
本当にそうだ、と共感しました。今はスピードと量を求められる場面が多すぎます。
余裕がないと気持ちがギスギスします。人間関係が悪くなります。焦りがミスを誘発します。
こんな環境が、人の心を疲れさせていくのではないでしょうか。
私は、こうした心に余裕が欲しい人々や人間関係に悩んでいる人々に寄り添うようなことをこの先ライフワークにしたい、と考えています。コロナ禍の前は、「絵本の朗読会」を企画していましたが、人数制限が欠かせないとなると、なかなか事業につながりません。
少人数でも継続できる事業にするには、他にないアイデアが必要だと感じています。
そのアイデアを、この先探していこうと思います。

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面白かった本

暑くても読みます。

うだるような暑さが、続きます。近くの公園では、毎年「みみず」が土から這い出して乾燥して死亡しています。たぶん、土の中も異常な暑さで、たまりかねて外に這い出すけれど、今度は日差しと温度で乾燥してしまうのだと思われます。本当に気の毒な「みみず」たちです。虫にもこんなに危険なのですから、人間だって油断していると危ないと思います。
どうぞ、皆様も水分補給と良質な睡眠を心がけてください。
さて、読書の成果です。

三越日本橋店のディスプレイです。
涼しげでしょう?

タイトル:「ダブル・フォールト」 真保 祐一 著
株式会社 集英社 2017年10月 ISBN:9784087456431

新人弁護士の成長物語です。法律の知識を少し知ることができるし、弁護士の実状もリアルです。
そういえば、以前「弁護士ドットコム」というサイトで弁護士さんを探したことがあるのですが、大きな事務所から、一人でマンションの一室で事務所を構えて営業されている方もいて、まさに競争が激しい感じでした。このサイトでは、たしか24時間いつでも弁護士さんに相談できるのところがあっって、すごいと思いました。誰でも受け付けているわけではなかったと思いますが。
至急、どうしたらよいか、知りたい時には、とても便利です。

 物語は、最初のうちは展開がゆっくりで平凡そうな事案に思えますが、後半になると急に伏線が繋がり始め、事件の全貌が明らかになって、そして思いがけない結末を迎えます。
善行ばかりの人も、極悪非道だけの人もいないけれど、悪行は歯止めがないと底知れない深さを感じるものです。
それだけに被害者なのに悪行が明らかになると、急に自業自得という言葉通りに世間は考えるし、身内さえも、そんな思いから抜け出せない。いくら家族には優しかったとは言っても、外での振る舞いは家族の想像を超えたひどいもので、一生罪の意識を背負わなければならない…。本当に?
問われているのかもしれません。 
罪は犯した人のもの、家族までもが背負わなくても良い、と割り切れるものか?
弁護士といえども、法を犯す寸前まで追い詰められたら、どうするのか。
何でもありの昨今で、健全な倫理観というものは存在するのか?
心もとない気がするのは、私だけでしょうか?



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面白かった本

暑いデスねえ…。

 梅雨明けから、突然夏本番で身体が付いていかない感じあります。
夏、というのは湿度が高いせいか、空気が濃密に感じられます。
その分、やっぱり暑さを感じやすいのかもしれません。
最近は「暑さ」も危険になりました。
暑いけれども、読書です。

読書といえば、夏休みの読書感想文の宿題を思い出します。
今でも、すぐ読めるほど短くて感想を書きやすい本を紹介してほしい、という声をよく耳にします。私もそのような人でした。
そこである時、カフカの「変身」を選んだのでしたが、これが難しかった。
何しろ、話が奇想天外。「ある朝、私は虫になっていた」という感じだったと思います。
どんな感想を書けばよいのか?
正直にありえなーい、と言ってしまいたいけれど、そんな感想を書く勇気を持てませんでした。
もっと真面目な、それらしい感想を書かなければいけない、という気がして。
今は、好き勝手な感想を言えるようになって、本当に解放された気分です。
感想文というのは、強制されて書くのはつまらないですね。
文章を読む力、書く力はつくのかもしれませんが、苦手な人は「本」の魅力に気が付かずに
嫌になってしまうのではないでしょうか。


光が降り注ぐ林

タイトル:「弥勒の月」 あさの あつこ著
2019年1月 光文社 ISBN:9784334744564

久しぶりに時代小説を読みました。この作者は「バッテリー」という作品で知りました。
そのため中高生向きの作家だと思っていました。
作家というものは、どんな題材でも書ける力があるんですね。
プロなんだから、といえばそうなんですが。
それほどこの「弥勒の月」は完成度が高い作品だと思います。謎解きの面白さ、人間描写のすばらしさ、物語がすんなり運ばれていく、構成のすばらしさ。
物語の途中で、時系列を変えることによって、場面転換をして話や人物の背景を説明する、うまい方法だと思うのですが、時によると本筋との関係がわかりにくくなる、というリスクもあると思うのです。けれども、このリスクも上手にクリアして、違和感なく読み通せます。また、エンターテインメントでありながら、人間心理の奥深さも描かれていて、読みごたえも十分です。

 

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面白かった本

ついに、セミの大合唱!

ようやく梅雨が明けて、待ってましたとばかりにセミが元気に大合唱です。
聴こえなければ寂しいし、鳴けばうるさいと思う、本当に人間は勝手なものです。
夏本番ですね。


今回は軽く読めた本のご紹介です。
ミステリー寄りのエンターテインメントです。
題材は「もののけ」などで昔は目撃談が多かったけれど、最近めっきり消息がない、あの方々です。実在するのか、しないのか、もありますが、その起源や言い伝えは歴史があって、根拠があるといえばあるし、ないといえば存在そのものが疑わしい。
でも、そのような学術的なことはさておき、とても楽しく読みました.

タイトル:「逢魔が時に会いましょう」 荻原浩 著
㈱集英社 2018年4月 ISBN:9784087457223

物語は、女子大生と民俗学の准教授が主人公ですが、大学生の真矢の視点から物語が進みます。
そこが楽しく読めるポイントです。
河童も天狗も座敷童も全く知らないし、興味もない大学生だから、准教授の解説がわかりやすく語られ、納得できるのです。それに女子大生の真矢の方が男勝りで、准教授はナヨっとひ弱な感じ。
でもいざとなると、頼りがいのある良い先生という性格設定が、楽しいやり取りにつながってスラスラ読めてしまいます。
夏のお暇なときにおススメです。