「架空の球を追う」 森 絵都著
文春文庫 2011年8月 ISBN 9784167741044
この作者の短編がお気に入りです。前に「風に舞いあがるビニールシート」を読んで、とても面白かったので。
まずタイトルが奇抜だし、でも読んでみると納得のタイトルだな、と感じました。今回の「架空の球を追う」も、日常のよくある風景の一瞬を切り取って、鮮やかに「そうよね」「そういうことってあるよね」と共感を呼ぶお話が、いっぱいです。
特に「彼らが失ったものと失わなかったもの」が印象的でした。
起こってしまったことを誰のせいにもせず、粛々と受け止め行動することの、何と爽やかなことか!自分を顧みて反省しきりでした。
よろしければ、ご一読あれ。